家庭向けコラムschool-column

【家庭編】あなたの部屋はあなたの心の状態

ご主人からの片づけ依頼

「妻が部屋の片づけが苦手で、家がゴミ屋敷のようなのです」と、ご主人から依頼のあったお宅のお話です。

ご自宅に訪問すると、人が移動するための通路以外、床のほとんどが物で埋め尽くされていました。

奥様は片づけのプロが来て嬉しい!というよりも、他人を自分の家に入れたくない、家の物に触られたくないという反応のほうが強い方でした。

そんな奥様と一緒に片づけを始めると、たまってしまった物にまつわるエピソードを熱心にお話しされたんです。

例えば、家に爪切りがあると知っていても、見つからなかったらどうしようと焦って、つい安くなっている爪切りを買ってしまう、など…。

結果、そのご家庭には爪切りが10個もありました。

4人家族に10個は多いですよね。

奥様の物に対する思いを聞きながら、少しずつ片づけを進めていたある日、物をため込んでしまう根本的な原因を聞くことが出来ました。

物をため込んでしまう理由

子どものころ、好きな漫画やアイドルを、お母さんに否定されることがあったそうです。

こっそり買って押し入れに隠していても、友達に預けていても、見つかると全部捨てられてしまって…。

そういった悲しい経験が、物をため込むことにつながっていたのです。

自分に自信が持てなかったり、後ろめたい気持ちがあったりすると、人は言い訳が多くなります。

彼女は、自分の持ち物を「私に否定されるのでは」と不安になり、事細かに説明してくれていたのです。

自分の好きな物や好きなことに、後ろめたい気持ちは必要ありません。

お母さんになんでも否定されてきたことで、不安な気持ちから、好きな物も、そうでない物も関係なく、ためこむようになってしまっていたのです。

その後、未開封の化粧品に加え、通販で買って配送されたままの状態の物まで出てきました。

ご主人も何度か注意しているらしく、使いもしないものを買い込むのは勘弁してほしい、とおっしゃっていました。

実は不安を理由に購入した物は、買ったことで安心が得られるせいか、実際には使われないという傾向があります。

ある意味、奥様は結婚生活の中でも、自分の好きを否定されるようになっていました。

こちらのお客さまの場合、とても長い時間がかかりましたが、一緒に片づけながら、自分の好きな物を丁寧に扱うことからスタートして、最後には床の見えるきれいなお家にすることができました。

ご主人も奥様も長年の言い争いの原因が無くなり、お子さんはお子さんで、家に友達を呼べるようになって、とても喜んでくれました。

片づけの持つ大きな力

自分の住む家と心には、深いつながりがあります。

部屋の状態は今の自分の心の状態。

どこかで滞ったままの問題があると、お部屋も人生も滞ります。

今回のコロナ禍で、片づけを実践された方の中には、お部屋だけでなく、生活や人生が変わった人もいるのではないでしょうか。

片づけには、目に見えない素晴らしい力があります。

今日はぜひ一つでも、一箇所でも片づけをしてみてください。

きっと心がスッキリしますよ。

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